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透析膜 透析チューブ
Dialysis Membranes
■透析のしくみ
透析とは半透膜を通して穴の大きさよりも小さな溶質分子が高濃度溶液から低濃度の溶液に平衡に達するまで進行する単純な拡散のプロセスです。
多孔性の膜は穴の大きさよりも大きな溶質分子はそのまま保持し、小さい溶質分子だけを通過させるため溶質分子の大きさに基づいた分離が可能です。穴の大きさはサンプルの分子量で選定できるように分画分子量(Molecular Weight Cut Off)で示され、分画分子量以上の大きさのサンプルを90%以上保持します。
しかし、透過性には溶質分子の形状、水和性、電荷、溶媒の性質、pH、イオン強度などさまざまな影響を受けますので留めたいサンプルの50%~80%の大きさの分画分子量を選択するか、除去したい物質の100倍以上の大きさの分画分子量を選択する事が推奨されます。
■透析アプリケーション
透析はサンプルにダメージを与える事なく分離する事ができる優れた方法です。
基本的な透析法は、透析チューブにサンプルを封入した後バッファー又は水を入れたビーカーに入れ、スターラーで16~24時間攪拌します。効果的な透析のためにはこの間に2~3回のバッファー交換をする事で反応を促進させることが出来ます。これによりチューブのポアサイズよりも小さな分子がバッファー側に抜け出します。
- ・核酸やタンパクの精製
- ・溶質分子の分画
- ・不純物の除去
- ・バッファー交換
- ・pHの変更
- ・脱塩
- ・結合実験
- ・電気泳動ゲルからの溶出
分画分子量(MWCO)
透析膜は交差結合した高分子でできたスポンジのような母材からなっているので、分画分子量(MWCO)として示される細孔径は透過阻止率の間接的な基準になります。さらに正確に書くと、膜の分画分子量は、少なくとも90%の溶質が保持されるサイズによって決定されます。